僕のキャパシティイズオーバー
「ねーむっちゃん」

頭の中で悟りを開き始めた僕に、旭が腕をツンツンとつついて、囁く。


「次の授業さぼろ?」


大人っぽく、気品漂う旭から飛び出たそのセリフのかわいさといたずらっぽい笑みに、ギャップ萌えで心臓がギュンッとなった僕は、思わず満面の笑みでうん!と言いそうになる。


スー……ハー……


僕は深めの深呼吸をした。


「……ダメに決まってるでしょ」

「いいじゃん。ちょっとくらい休ませてよ」

「ダメ。普通科の授業全然出れてないんだから、出れるときに出ないと。ね、奏……」

と、奏多の方を見ると、


寝てる。

腕を枕に、堂々と、寝てる。


「……」


なん、なん、

なんってかわいい寝顔なんだ……!!


普段のキリッとした表情とのギャップで僕の心臓がまたギュンッとなって顔が緩みそうになる。

……ってだめだよ!授業中!

「こらっ、奏多!寝ちゃダメだよ」

「ん……?うん……」

そう言って頑張って目を開けようとする奏多。

かわいい!かわいすぎる!!養いたい……!!

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