僕のキャパシティイズオーバー
「はいはいみんな落ち着いてー!さっそくやっていくよー☆じゃあ今からうちわを配るから、ひとり一枚ずつ持ってくださーい」


ウェッティー先生がそう言って前列の生徒にうちわをまとめて渡して、それが前の席から順番にまわってくる。

『ウィンクして』『バーンて撃って』『投げチューして』……

どれもコンサート会場でよく見るものだ。


一番後ろの席にいる僕たちの元にまわってきたのは、

奏多は『うさ耳して』、旭は『指ハートして』

そして僕は、

『好き♡』

……

これにはどんなファンサが正解なんだろう…?


みんなにうちわが渡ったのを見計らってウェッティー先生が「はい注目〜」と手をパンパン叩く。

「まずは僕がお手本を見せるよ!曲をかけるからみんなうちわをあげててもらって、ファンサされたと思ったらおろしてね。オッケー?それじゃ行くよー☆」


アイドル科の教室には教卓の横に少し小さいステージがあり、ウェッティー先生は音楽をセットしてそこにスタンバイした。

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