僕のキャパシティイズオーバー
そして、2人の手によって教室は、あっという間にお墓だらけになった。

僕は誇らしく思うと同時に、本当にとんでもないユニットの担当になったんだなと実感する。


さすがだよ、√soleil…!


最後の間奏に入ったとき、ふと気づくと、奏多がすぐ近くまで来ていた。

バチッと目があう。


はう……っ♡


完全にマネージャーからファンにスイッチを切り替えてしまっていた僕は、まんまと奏多に心臓を取られてしまう。


あああやっぱかっこいい、天才だよ奏多……!


心の中でキャーキャーしていると、無表情の奏多が僕に距離を詰めてくる。


ん…?あれ?

なんで?なんで!?


テンパって後ずさる僕に奏多は容赦なく近づいて、『好き♡』をもつ僕の手を握った。


「え!?」


僕の心拍数は最高速度を記録する。


「な、なに…?どうしたの…!?」

「……」


そして奏多は、射ぬくような目で僕を見つめながら口をひらいた。



「俺の方が、好き」



……!!

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