僕のキャパシティイズオーバー
「……ごめんね?」


旭が唇を僕の耳に触れそうなほど近付けて囁くので、体がビクッと反応してしまう。


「っ……え……?」

「実は、結構前から気付いちゃってたんだよね」


旭は動揺を隠せない僕の顔を覗き込んで、お決まりの穏やかな微笑みを浮かべる。


「最初はそういう嗜好とか生まれつき心と体が違っちゃったタイプかなーとか思ったんだけど…どうやらそういうわけでもなさそうだし」

「え……え?あはは、なんのこと……?」


冷汗を垂らしながらごまかそうとする僕に、旭はクスッと大人っぽく笑う。


「しらばっくれちゃうかー」


そう言って旭は雑巾をもつ僕の手にスラっと長い美人な手を這わせた。


「っ!」

「俺の女の子センサーをなめないでくれるかなぁ」


また耳元で囁かれて、ビシャッと雑巾がシンクに落ちる。


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