僕のキャパシティイズオーバー
「さて、どうしてやろうかな」

旭のセクシーな低音ボイスに不意打ちでときめきつつ、僕の中に別の不安がどんどん積もっていく。

「ね、ねぇ、旭」

「んー?」

「これ、奏多も知ってるの…?」


その瞬間、旭の瞳の中の光が消えた気がした。


「……(奏多しか見えてないんだよなー)」


旭の小さなつぶやきがよく聞こえなかった僕は「え?」と聞き返した。


「…なんでもない」


旭はニコッと微笑むと、またいつもの明るく気だるい声音で言う。


「んー奏多は知らないんじゃない?あの人ピュアだし、まさか騙されてるなんて思ってないだろうね」


悪意のこもった旭の言葉に僕はグッと押し黙る。


「どうしよーかなー。あのピュアボーイに言っちゃうのも面白そうだなぁ」

「!?こ、困る!!」


そんなことされたら奏多がキレて、√soleilのマネージャーをやめなきゃいけなくなるかもしれない!!
< 40 / 70 >

この作品をシェア

pagetop