僕のキャパシティイズオーバー
いつの間にかすぐ後ろにいた奏多にスマホを奪われた。


「えっ」


奏多はスマホを耳にあて、僕をまっすぐ捉えたまま言う。



「邪魔すんな」



そしてスマホを耳から離して操作し、ぽいっと僕に返した。

画面を見ると、通話が切られている。


「え、切っちゃったの!?」

「別に大した話してなかったろ」

「それはそうかもしれないけど…っ」


ドンッ


「!」


僕は窓横の柱と奏多の間に挟まれた。


あ これ壁ドン


「最近、なんなの」

「っ、…え?」


奏多の三白眼が、きれいな鎖骨が、たくましい腕がすぐそこにあって

どうしたってドキドキしてしまう。


「いつも旭といる」

「……!」


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