僕のキャパシティイズオーバー
「……ぇ」






私の名前、




チュッ。




「!?」



首筋にキスされて、私は体を大きく跳ねさせた。



「へ!?な!?えぁ!?」



慌てて奏多の胸を押して逃げると、表情の変わらない奏多がしれっと言う。



「…あ、ごめん。ナナにする感じでやっちまった」

「は!?え!?な、ナナ……って……っ」



ちょっと待って、どういうこと!?

なんで奏多が僕の本名知ってるの!?


奏多の言ってることが全く理解できなくて、僕は目をぐるぐるさせて近くにあった机にガンッとぶつかってしまう。



「実家の猫」



…………猫?



「……実家の猫、『ナナ』ちゃんっていうの……?」

「うん」



びっ、ビックリしたぁー……



僕はへなへなとその場に座り込んだ。



「…どうした」


奏多が座り込む僕の前にしゃがんで僕をうかがい見る。


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