僕のキャパシティイズオーバー
「あ、いや、なんでもない、なんでも!あははー…あっ、勉強しよ!勉強!」

僕は立ち上がってヘラヘラしながら元いた席へと戻る。


あー、本当にビックリしたぁ…

一瞬女の子の自分が顔出しちゃってたよ…っ!


僕が席に着くと、奏多もさっきと同じように僕の向かいに座る。

そして視線を下に落として、シャーペンを握って勉強を始める。

僕はなかなか熱い顔が冷めずに、胸がドキドキ、ドキドキしてしまって


『ナナ』

さっきの奏多の声が頭の中でずっと反芻されてしまうのを、必死で追い払う。


忘れて、忘れて……っ


その後も僕は教科書を懸命に読もうとするんだけど、その文字たちを頭に入れることはできずに、

奏多の長い足が僕の足に触れそうになってることばかり、意識してしまっていた。
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