僕のキャパシティイズオーバー



時刻は17時。


太陽が傾いて、空の色が鮮やかな水色から少しくすんだ色になろうというとき。

メインステージには大勢のお客さんが押し寄せてたった今規制がかかった。


もうすぐ、√soleilの出番。

これが終われば嵐のように忙しかった一日が、終わる。


僕はステージ袖でアップする二人のオフショットを少し小さめの一眼レフで撮影した。


……うん。二人ともいい顔してる。


僕はSNSアプリを起動して、

【まもなく出番です。会場の熱気に、二人も気合い十分です!マネージャー】

そう打ち込むと、今撮った写真とともに公式SNSにアップした。

同時に爆発的に増えていくいいねの数。


…よし。今日の仕事もあと少し。

ほんっとーに忙しい一日だった。

水を飲む暇も……


「っ……」


また眩暈がして、僕はそこにあったパイプ椅子になだれ込むように座った。


「大丈夫か」

「!」

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