僕のキャパシティイズオーバー
「かな…」

「行くぞ」


奏多は僕にだけ聞こえるように言って、僕をお姫様抱っこで持ち上げた。


えっ、え…!?


「「「ッキャー!!」」」


一部始終見ていた√soleilファンはそれはもう大騒ぎ。


「か、奏多、おろし……」

「おろすわけねーだろバカか」


…口の悪さに拍車がかかってる。どうやらご立腹。

ファンの声に煩わしそうに目を細めながら、奏多は早足で関係者用通路に入った。


間一髪で助かったけど…このあとどうしよう…

奏多はどうして嘘を…?

てかこれ、別の意味で熱くなってくる。


ぐるぐる考えながらも、やっぱり動けない僕は奏多に身を預けることしかできない。


そして着いた先は、保健室。

扉を開けると、すぐそこに白衣を着た保健医の女の先生がいた。

< 67 / 70 >

この作品をシェア

pagetop