僕のキャパシティイズオーバー
NICラジオ 毎週月曜18:30~放送『初めまして、√soleilです!』
《さー今週も始まりました、√soleilの初冠ラジオ、せーの、》
《《『はじめましてsoleilです!』》》
《お相手は√soleilの、先々週14歳になった旭と、》
《先週14歳になった奏多です》
《いぇーい♪先週はおたおめメッセージたくさんありがとうございました!…はい、奏多くんはさっきレッスンでボロクソに怒られてちょっとしょんぼりしてまーす》
《おい、言うなよ》
《ははっ、まあ元気出しなよ奏多》
《別に元気だし》
《はいっ、じゃー今日も元気な奏多くんと旭くんで『√soleilの何でも聞いちゃいますっ!』のコーナーいっちゃいましょう!えーまずは北海道のラジオネーム、ソレイユ大好きむーみんさん。高校生の方。むーみんさんこんにちはー》
《ちわー》
《こら奏多!もっとテンションあげて!》
《うるせーな、あげてるよ》
《えーと、先週奏多くんが飼い始めたという猫ちゃんのことが気になります!元気にしてますか?生まれたての猫ちゃんを拾ったということでしたが、病気とかは大丈夫でしたか?猫ちゃんの名前は決まりましたか?奏多くん教えて!だって》
《…うん。元気。病気もなかった。まだ色々怖いみたいで、家の隅っこでうずくまってる。名前はまだない》
《だそうでーす。むーみんさん、お便りありがとうー!僕らも大好きだよー!チュッ》
《…》
《はいじゃーどんどんいっちゃいましょう!つづいてのお便りは、東京都のラジオネーム、シオリナナさん。あ、俺らと同い年だ!ナナちゃんこんにちはー》
《ちわー》
《えーナナちゃんの相談は……先日、大好きな親友が亡くなりまし、た……うわーマジか。辛いね。えーと…とっても悲しくて寂しくて、親友のことを大好きだったから余計に辛いです。もうこんな気持ちは味わいたくないです。もう大好きな人を失いたくないので、人を好きになるのが怖いです。私はこれからどうやって生きていったらいいのでしょうか》
《…》
《…あー、これは、ほんと辛いね。俺もこないだ大好きなじいちゃん死んじゃって、しばらくキツかった。だからナナちゃんの気持ち、少しわかるよ。好きな人じゃなかったらきっとここまで悲しい気持ちにはならなかったのになーってね…。奏多、どう思う?》
《……あー…ナナ?お前な。そんなことでウジウジ言ってんじゃねーよ》
《!おい、『そんなこと』なんて言うなよ》
《そんなことだよ。人間どうせいつか死ぬんだよ。俺もお前も今これ聞いてるやつもそこにいるスタッフも、全員、遅かれ早かれいつか死ぬ。なんなら今だってどっかの誰かがどっかで死んでんだよ》
《それは、そうかもしれないけど…》
《いつか死ぬなら好きなやつに囲まれてた方が得じゃね?》
《……》
《ナナの親友はきっと、ナナに好かれながら死ねて幸せだったんじゃねぇの?だからナナはその親友を幸せにしてやったんだよ。それをなんで後悔すんの?お前はこれからも誰かを好きになっていい。誰かを幸せにしてやればいい。そんでお前も誰かに好きになってもらえ。そうやって生きていけばいい。以上》
《……おお……めちゃくちゃ上から目線だけど、いいこと言った。感動しちゃった、俺》
《普通だろ》
《…ナナちゃん。奏多ね、こんな偉そうにしてるけどさっき先生に『お前のステップは千鳥足の酔っ払いだ』って言われてね…》
《おい、なんで今それ言うんだよ》
《歌のレッスンの時もね、『顔がもう下手』とかひどい言われようでね、》
《おま、言うなよ!》
《言わせてよ、奏多の株下げとかないとまた俺推しの子を奏多にとられ……あっ、ナナちゃんからもう一通きてます!えーと……奏多くんありがとう、奏多くんのことが、大好きになりました…!?彼女にしてください、だって!!えー!!待ってよ!そこは旭くんでしょ!!》
《…》
《……うわー》
《…》
《ナナちゃん。奏多くん今赤面してるんだけど》
《っ、言うなよ》
《ナナちゃんすごいね。さっそく奏多を幸せにしちゃったみたいだよ。ほら、奏多。ナナちゃんにお返事してあげないと》
《……やだ》
《もー、またそういうこと言うー。あ、今、私も彼女にしてーってお便り殺到してるって。あはは、俺だったらみんな彼女にしてあげるのになぁ》
《あー……シオリ、ナナ?》
《ナナちゃーん。奏多いますっごい真面目な顔してるよー》
《お前ちょっと黙れ》
《はいはい》
《…………今度会ったら、返事するから》
fin