【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第17話】

事件発生から1時間後…

森林公園に、町《まち》の消防署の救急車・救助工作車と広島県警《けんけい》のパトカーが次々と駐車場に入った。

保母さんは、心不全で亡くなった。

止めに入った男性5人も、義姉《あね》に石で殴られて死亡した。

義姉《あね》は、脳挫傷を起こしたのできわめて危険な状態におちいった。

急を要するために、ドクターヘリで三次市《みよし》にある救急病院へ救急搬送《はんそう》された。

知らせを聞いた義父母は、警察署へ向かった。

義父母は、警察署で事情聴取を受ける予定である。

三次市内《しない》の救急病院に搬送された義姉は、重篤状態《じゅうとく》であった。

事件の翌日であった。

あいつが建設会社の宿舎から家出した。

あいつは、付き合っていた社長の娘さんを同じ職場仲間のFさんに取られたことを苦に家出した。

あいつは、スマホを置いて家出した。

それが原因で、9月中に完成予定の工事がストップした。

現場は、大パニックにおちいった。

その日の夜8時55分頃であった。

恐ろしい事件が福山市内《しない》で発生した。

「ギャァァァァァァ!!」

ラブホの室内で、やけつくような女性の悲鳴が響いた。

事件は、JR東福山駅の南東側の国道沿いにあるラブホで発生した。

恐ろしい覆面をかぶった男が部屋にいた女性を刃渡りのするどいナイフで刺した。

刺された女性は、即死した。

即死した女性は、あいつが好きだった社長の娘さんだった。

もうひとりの男は、カノジョの恋人さんで職場の従業員さんのFさんだった。

覆面の男は、大量の血液が不着した刃物をFさんに向けた。

「たっ、助けてくれぇ…頼む!!命だけは助けてくれぇ…」

Fさんは、覆面の男に刃物で一撃を喰らって殺された。

事件発生から60分後であった。

広島県警《けんけい》のパトカー20台が事件現場のラブホの前に到着した。

ラブホの周辺は、緊迫した空気に包まれた。

現場のラブホには他に数組のカップルさんがいたが、ドアのカギをかけていたので無事だった。

事件から2日後の8月26日のことであった。

あいつが行方不明になったことと社長の娘さんとFさんが亡くなったことに加えて、工事がストップしたことなどで会社は対応に追われていた。

久永《ひさなが》さんは、警察署にあいつの捜索願いを出した。

同時に、あいつの家では大パニックが発生した。
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