【一気読み改訂版】とし子の悲劇
【第71話】
さて、その頃であった。
アタシは、高松市内のデリヘル店の女のコの待機部屋にいた。
いつでもお客さまの元に出張《デリバリー》に行けるように準備を整えていた。
ブロッサムピンクのブラジャー・ショーツ姿のアタシは、鏡の前に座って、花王ビオレ拭くだけコットンでメイクを一度落とした。
その後、新しいメイクをつけ始めた。
あいつの元から逃げ出してから7ヶ月が経過した。
それでも、アタシの気持ちは落ち着いていなかった。
あいこちゃんが集団レイプの被害を受けた事件の捜査は、今も難航していたので解決していなかった。
もうひとつ気になるのは、あいこちゃんのお母さまのことであった。
あれ以来、あいこちゃんのお母さまはどこかに身を隠して暮らしていると思う…
じゅんきが放火で亡くなった事件と土器川《どきがわ》の橋の下で竹宮《たけみや》たちから集団リンチを喰らった事件に…
あいこちゃんのお母さまが深く関わっていた可能性があると思う…
まさか…
ほがその髪の毛を右手で思い切りかきむしったアタシは、改めてリップをつけなおした。
時は、1月29日のことであった。
この日、あいこちゃんが産婦人科の検診を一度も受けてなかったことが明らかになった。
アタシは、あいこちゃんが受診をしていた産婦人科医へ行った。
医院がある場所は、JR坂出駅の南口から歩いて5分のところあった。
「ここね。」
ところ変わって、産婦人科医の中にて…
アタシは、受付の人に先生を呼んでくださいと頼んだ。
診察室にて…
アタシは、男性医師にあいこちゃんのことをたずねた。
男性医師は、あいこちゃんが6ヶ月検診に来なかったことをアタシに話した。
医師からことの次第を聞いたアタシは、おどろいた声で言うた。
「6ヶ月検診に来てないって…それ、本当ですか!?」
「ええ…」
「最後にこちらに来られたのは、いつ頃ですか!?」
「さあ、おぼえてないなぁ~」
「そうですか…」
それから60分後であった。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
病院から出たアタシは、坂出駅から快速マリンライナーに乗って、高松へ引き返した。
アタシは、赤茶色のバッグからスマホを取り出したあとグーグルプレイミュージックで音楽《うた》を聴いていた。
イヤホンから、大下香奈さんの歌で『哀しみのサンバ』が流れていた。
同じ曲をくり返して聴いていたアタシは、こんなことを思った。
もしかしたら…
あいこちゃんは…
抱え込むだけ抱え込んでいたと思う…
もう危ないかもしれない…
アタシの不安は、日増しに高まった。
アタシは、高松市内のデリヘル店の女のコの待機部屋にいた。
いつでもお客さまの元に出張《デリバリー》に行けるように準備を整えていた。
ブロッサムピンクのブラジャー・ショーツ姿のアタシは、鏡の前に座って、花王ビオレ拭くだけコットンでメイクを一度落とした。
その後、新しいメイクをつけ始めた。
あいつの元から逃げ出してから7ヶ月が経過した。
それでも、アタシの気持ちは落ち着いていなかった。
あいこちゃんが集団レイプの被害を受けた事件の捜査は、今も難航していたので解決していなかった。
もうひとつ気になるのは、あいこちゃんのお母さまのことであった。
あれ以来、あいこちゃんのお母さまはどこかに身を隠して暮らしていると思う…
じゅんきが放火で亡くなった事件と土器川《どきがわ》の橋の下で竹宮《たけみや》たちから集団リンチを喰らった事件に…
あいこちゃんのお母さまが深く関わっていた可能性があると思う…
まさか…
ほがその髪の毛を右手で思い切りかきむしったアタシは、改めてリップをつけなおした。
時は、1月29日のことであった。
この日、あいこちゃんが産婦人科の検診を一度も受けてなかったことが明らかになった。
アタシは、あいこちゃんが受診をしていた産婦人科医へ行った。
医院がある場所は、JR坂出駅の南口から歩いて5分のところあった。
「ここね。」
ところ変わって、産婦人科医の中にて…
アタシは、受付の人に先生を呼んでくださいと頼んだ。
診察室にて…
アタシは、男性医師にあいこちゃんのことをたずねた。
男性医師は、あいこちゃんが6ヶ月検診に来なかったことをアタシに話した。
医師からことの次第を聞いたアタシは、おどろいた声で言うた。
「6ヶ月検診に来てないって…それ、本当ですか!?」
「ええ…」
「最後にこちらに来られたのは、いつ頃ですか!?」
「さあ、おぼえてないなぁ~」
「そうですか…」
それから60分後であった。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
病院から出たアタシは、坂出駅から快速マリンライナーに乗って、高松へ引き返した。
アタシは、赤茶色のバッグからスマホを取り出したあとグーグルプレイミュージックで音楽《うた》を聴いていた。
イヤホンから、大下香奈さんの歌で『哀しみのサンバ』が流れていた。
同じ曲をくり返して聴いていたアタシは、こんなことを思った。
もしかしたら…
あいこちゃんは…
抱え込むだけ抱え込んでいたと思う…
もう危ないかもしれない…
アタシの不安は、日増しに高まった。