【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第76話】

そして、夕方５時前であった。

坂出市江尻町にあるあいつの実家で、事件が発生した。

アタシは、清酒金綾《きんりょう》の一升瓶の酒をタンブラについでのんでいた。

この時、あいつが家に帰宅した。

あいつは、家に帰ってくるなりアタシに対して『オラ!!そこにいるのは誰や!?』と言うてアタシをイカクした。

イカクされたアタシは、酒をごくごくと一気にのみほしたあとあいつに怒った声で言うた。

「うるさいわね!!アタシはあんたと決着つけるためにここへ来たのよ!!アタシは、あんたみたいな弱虫とは再婚したくなかったのよ!!なのに、あんたがメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソと泣いて三角お顔で求めたから、仕方なく再婚をしただけよ!!そのことがまだ分からないのね!!」
「何だと!!」
「アタシにきつい暴力を加えた上に、あいこちゃんも犯した…アタシはガマンの限度を大きく超えているのよ!!だからここで、決闘するわよ!!」
「ジョートーだ!!」

アタシとあいつは、ドカバキの大ゲンカを起こした。

この時、あいつはアタシを思い切り倒したあとアタシの身体を押さえつけた。

そして、アタシが着ていた白のブラウスを思い切り破いた。

同時に、下に着ていたインナーも破った。

「やめて!!」
「ふざけるな!!」

あいつはインナーを破った後、下に着けていたラベンダー色のブラジャーをちぎった。

続いて、あいつはアタシの脚《あし》をむりやりひらかせようとした。

「いたいいたいいたいいたいいたいいたい…やめてー!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!」

その時であった。

「ふざけるな!!」

あいこちゃんのお母さまが刃渡りのするどいナイフを持って現場にやって来た。

「ワアアアアアアア!!」

あいつは、ひらりとよけた。

この時、あいこちゃんのお母さまは頭を激しくぶつけたあと心肺停止におちいった。

それを見たあいつは、オタオタした様子であいこちゃんのお母さまのもとへ行った。

あいつは、心肺停止におちいったあいこちゃんのお母さまに『生き返ってくれ〜』と泣きながら言うた。

思い切りブチ切れたアタシは、上半分裸になったあとあいこちゃんのお母さまが持っていた刃渡りのするどいナイフを手に取った。

そして…

「死ねや!!」

アタシは、ダンナの背中をナイフでズタズタに刺した。

「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

アタシに刺されたあいつは、即死した。

あいつを刺し殺したアタシは、ナイフをにぎった状態で座り込んだあとぐすんぐすんと泣いていた。