【一気読み改訂版】とし子の悲劇
【第82話】
さおりさんとアタシを粗末にするだけ粗末にして家から追い出した…
入れ替わりに、兄夫婦《おにい》の家族を実家に迎え入れた…
それで義父母は『ああ、せいせいしたわ。』と言うてヘラヘラしていた…
そのうちに取り返しのつかない非常事態が発生すると思うから覚悟しておきなさいよ!!
兄夫婦《おにい》の家族が大阪から実家に帰ってきた理由は、兄《おにい》が勤務している総合商社の人事が気に入らないからやめた…と言うことであった。
他にも、やむを得ない理由があったと思う。
兄《おにい》は、阿南市《じもと》の小さな会社に転職した…
嫂《おねえ》は、胎内に2人目の赤ちゃんがいた…
現在、妊娠8ヶ月目で大切な時期だった。
4歳の長女が、精神的に不安定を理由に幼稚園に行かなくなった…
そういった事情を抱えていたので、兄夫婦《おにい》の家族は実家へ帰ってきた。
…と言うことを武方《たけかた》さんは、『出戻り』とカイシャクした。
兄夫婦《おにい》の家族がUターンで家に帰ってきたので、あの家にアタシの居場所がない…
だから、阿南市へ帰ることは死んでもイヤ!!
それと、義父母はアタシを被告人にして裁判を起すとわめいたことについても、アタシは思い切り怒っている。
裁判を起こしてやると口では言うけど、実際に裁判所や弁護士事務所に行く気配はなかった。
裁判を起すと言うのは、義父母の狂言だった…
アタシは、あいつの家の親類縁者たちを絶対に許さない!!
アタシは、あいつの家に対するうらみをより一層強めた。
話は、アタシが家出してから50日目の昼前のことであった。
ところ変わって、あいつが勤務しているケーズデンキの店舗事務所にて…
時計のはりは正午前をさしていた。
事務所にいる従業員さんたちは『お昼は何を食べようか』とか『今日の宅配弁当の中身はなんだろうかな』などと思いながらソワソワしていた。
時計のはりが正午になった。
従業員さんたちは、お昼ごはんに入った。
その時に、あいつが座っているデスクに上司の男性がやって来て、やさしい声で『一緒にお昼ごはんを食べませんか?』と言うた。
あいつと上司の男性は、ごはんを食べる前に話し合いをした。
この時に、もめごとが生じた。
「ひろみちさん、この間の話だけど、いつになったら返事をするのかな?」
「この間の話?」
「あれ?お前、聞いてないのか?」
「この間の話と聞かれても、なんのことかさっぱり分かりませんけど…」
「ひろみちさんの人事異動のことだよ。」
「人事異動?なんですかそれ?」
あいつは、イマイチ実感がわかない表情を浮かべていた。
上司の男性は、多少あつかましい声であいつに言うた。
「ひろみちさんは11月1日付けを持って水戸の本部へ転勤せよと言う辞令が来ているのだよ!!」
「本部勤務を命ず?」
「ひろみちさん、ひろみちさんカタのお兄さん夫婦の家族が大阪からUターンして実家に帰って来たよね!!」
「知ってますけど…」
「嫂《おねえ》さまは出産とイクジのことで、家がテンテコマイになっているみたいだね!!」
「そうですけど…」
「ちょうどいい機会だから、親元から離れて水戸へ移ったらどうかといよんや!!」
「親元から離れて暮らすのは別にかまいませんけど…」
「住むところが問題だと言いたいのだろ!!住むところは、従業員寮を手配しておく…ひろみちさんは、10月末までにデスクの整理をしておきなさい!!」
上から転勤を命ぜられたあいつは、この日を境に家に帰らなくなった。
そんなあいつのたったひとつ心のよりどころは、徳島市庄町《とくしましょうまち》にある小さな借家で19歳の短大生の娘とふたりで暮らしているけいこさん(37歳・モデル兼ソープ嬢)であった。
借家は、JR倉本駅から歩いて5分の場所にあった。
けいこさんは、13年前に交通事故でダンナさんを亡くした。
そのあと、娘さんとふたりでけなげに暮らしていた。
あいつは、けいこさんを愛している。
けいこさんも、あいつを愛している。
あいつは、けいこさんの娘さんが夜のアルバイトに行っている時に、けいこさんの家に行った。
ところ変わって、借家の居間にて…
あいつは、けいこさんに今置かれている自分の気持ちを全部伝えた。
けいこさんは、あいつが悲しい表情を浮かべていたふくよかな乳房《むね》にあいつを抱きしめた。
「けいこ…」
「よしよし…よしよし…」
「けいこ…オレを…抱きしめてくれよ…甘えたいよ…」
「よしよし…よしよし…」
深夜11時半過ぎであった。
あいつは、ふとんの中でシルクのパジャマ姿のけいこさんに抱きついて、無我夢中で甘えていた。
「けいこ…オレ…とし子とさおりを追い出した…けいこと再婚すると決めた…」
「本当に?」
「もちろんだよ…けいこ…入籍をしてくれるかな…一緒に水戸へ行こうよぅ…」
「娘は自分でおカネを稼ぐことができるようになったから、いつでもOKよ。」
「ありがとう…明日、すぐに入籍しよう…」
「うれしい…」
このあと、あいつとけいこさんはふとんの中で激しく求め合った。
あいつは、けいこさん母娘にたっぷりと愛情をかけるようになった。
あいつは、けいこさんに対してさおりさんとアタシの悪口をボロクソに言いまくった。
あいつは、さおりさんとアタシをブジョクしてまでもけいこさんと幸せになろうと思っているけどそうはさせないわよ!!
最悪の悲劇は、日付が替わったら頃に始まりをつげた。
入れ替わりに、兄夫婦《おにい》の家族を実家に迎え入れた…
それで義父母は『ああ、せいせいしたわ。』と言うてヘラヘラしていた…
そのうちに取り返しのつかない非常事態が発生すると思うから覚悟しておきなさいよ!!
兄夫婦《おにい》の家族が大阪から実家に帰ってきた理由は、兄《おにい》が勤務している総合商社の人事が気に入らないからやめた…と言うことであった。
他にも、やむを得ない理由があったと思う。
兄《おにい》は、阿南市《じもと》の小さな会社に転職した…
嫂《おねえ》は、胎内に2人目の赤ちゃんがいた…
現在、妊娠8ヶ月目で大切な時期だった。
4歳の長女が、精神的に不安定を理由に幼稚園に行かなくなった…
そういった事情を抱えていたので、兄夫婦《おにい》の家族は実家へ帰ってきた。
…と言うことを武方《たけかた》さんは、『出戻り』とカイシャクした。
兄夫婦《おにい》の家族がUターンで家に帰ってきたので、あの家にアタシの居場所がない…
だから、阿南市へ帰ることは死んでもイヤ!!
それと、義父母はアタシを被告人にして裁判を起すとわめいたことについても、アタシは思い切り怒っている。
裁判を起こしてやると口では言うけど、実際に裁判所や弁護士事務所に行く気配はなかった。
裁判を起すと言うのは、義父母の狂言だった…
アタシは、あいつの家の親類縁者たちを絶対に許さない!!
アタシは、あいつの家に対するうらみをより一層強めた。
話は、アタシが家出してから50日目の昼前のことであった。
ところ変わって、あいつが勤務しているケーズデンキの店舗事務所にて…
時計のはりは正午前をさしていた。
事務所にいる従業員さんたちは『お昼は何を食べようか』とか『今日の宅配弁当の中身はなんだろうかな』などと思いながらソワソワしていた。
時計のはりが正午になった。
従業員さんたちは、お昼ごはんに入った。
その時に、あいつが座っているデスクに上司の男性がやって来て、やさしい声で『一緒にお昼ごはんを食べませんか?』と言うた。
あいつと上司の男性は、ごはんを食べる前に話し合いをした。
この時に、もめごとが生じた。
「ひろみちさん、この間の話だけど、いつになったら返事をするのかな?」
「この間の話?」
「あれ?お前、聞いてないのか?」
「この間の話と聞かれても、なんのことかさっぱり分かりませんけど…」
「ひろみちさんの人事異動のことだよ。」
「人事異動?なんですかそれ?」
あいつは、イマイチ実感がわかない表情を浮かべていた。
上司の男性は、多少あつかましい声であいつに言うた。
「ひろみちさんは11月1日付けを持って水戸の本部へ転勤せよと言う辞令が来ているのだよ!!」
「本部勤務を命ず?」
「ひろみちさん、ひろみちさんカタのお兄さん夫婦の家族が大阪からUターンして実家に帰って来たよね!!」
「知ってますけど…」
「嫂《おねえ》さまは出産とイクジのことで、家がテンテコマイになっているみたいだね!!」
「そうですけど…」
「ちょうどいい機会だから、親元から離れて水戸へ移ったらどうかといよんや!!」
「親元から離れて暮らすのは別にかまいませんけど…」
「住むところが問題だと言いたいのだろ!!住むところは、従業員寮を手配しておく…ひろみちさんは、10月末までにデスクの整理をしておきなさい!!」
上から転勤を命ぜられたあいつは、この日を境に家に帰らなくなった。
そんなあいつのたったひとつ心のよりどころは、徳島市庄町《とくしましょうまち》にある小さな借家で19歳の短大生の娘とふたりで暮らしているけいこさん(37歳・モデル兼ソープ嬢)であった。
借家は、JR倉本駅から歩いて5分の場所にあった。
けいこさんは、13年前に交通事故でダンナさんを亡くした。
そのあと、娘さんとふたりでけなげに暮らしていた。
あいつは、けいこさんを愛している。
けいこさんも、あいつを愛している。
あいつは、けいこさんの娘さんが夜のアルバイトに行っている時に、けいこさんの家に行った。
ところ変わって、借家の居間にて…
あいつは、けいこさんに今置かれている自分の気持ちを全部伝えた。
けいこさんは、あいつが悲しい表情を浮かべていたふくよかな乳房《むね》にあいつを抱きしめた。
「けいこ…」
「よしよし…よしよし…」
「けいこ…オレを…抱きしめてくれよ…甘えたいよ…」
「よしよし…よしよし…」
深夜11時半過ぎであった。
あいつは、ふとんの中でシルクのパジャマ姿のけいこさんに抱きついて、無我夢中で甘えていた。
「けいこ…オレ…とし子とさおりを追い出した…けいこと再婚すると決めた…」
「本当に?」
「もちろんだよ…けいこ…入籍をしてくれるかな…一緒に水戸へ行こうよぅ…」
「娘は自分でおカネを稼ぐことができるようになったから、いつでもOKよ。」
「ありがとう…明日、すぐに入籍しよう…」
「うれしい…」
このあと、あいつとけいこさんはふとんの中で激しく求め合った。
あいつは、けいこさん母娘にたっぷりと愛情をかけるようになった。
あいつは、けいこさんに対してさおりさんとアタシの悪口をボロクソに言いまくった。
あいつは、さおりさんとアタシをブジョクしてまでもけいこさんと幸せになろうと思っているけどそうはさせないわよ!!
最悪の悲劇は、日付が替わったら頃に始まりをつげた。