【一気読み改訂版】とし子の悲劇
【第88話】
時は流れて…
7度目の離婚以降、アタシは岡山倉敷とその周辺地域で2021年の秋ごろまでひとり暮らしをしていた。
アタシは再婚したくないと言うたのに、武方《たけかた》さんの奥さまから『やっぱり再婚した方がいいのではないか…』と言われた。
だからアタシは、イヤイヤお見合いして再婚した。
8度目の再婚相手は、高知市春野町南ヶ丘の高級住宅地で暮らしているすみおさん(48歳)であった。
すみおさんのお仕事は、南国市《なんこくし》のセメント製造会社で、経理のお仕事を26年間続けていた。
すみおさんは3年前に奥さまを亡くしたあと、ふたりの息子さんと3人で暮らしていた。
けれど、やっぱり母親が必要ではないのかと思って再婚を考えていた。
アタシは、金輪際再婚《こんりんざいさいこん》したくないと武方《たけかた》さんの奥さまに言うた。
それなのに、武方《たけかた》さんの奥さまが口をへの字に曲げて『天国にいるお父さんがどーのこーの…』…とアタシに言い返した。
だから、仕方なくすみおさんと再婚した。
それと…
アタシの父は、天国ではなく地獄に墜《お》ちたのよ!!
天国に行く資格なんか最初からなかったのよ!!
なんなのよ一体もう…
時は流れて…
2022年4月8日のことであった。
春野町南ヶ丘の高級住宅にある一戸建ての家の居間にて…
朝の食卓にすみおさんとふじおさん(23歳・フリーアルバイター)とまさおさん(18歳・高知大学1回生)が居て、いつも通りに朝ごはんを食べていた。
食卓の上には、ツナサンドとコンソメスープとサラダとスクランブルエッグが並んでいた。
ダンナ(すみおさんはダンナと表記します…けど、あいつに変わるかもしれない…)は、ふじおさんに対してはきつい表情をしていたが、まさおさんにはニコニコとした表情をしていた。
ふじおさんは、怒って家を飛び出した。
ふじおさんが座っていた席に置かれていた食事は、出来上がりのまま残っていた。
アタシは、ものすごくつらい声でダンナに言うた。
「あなた…きょうだいを比較しないでと言うたのに、どうしてふじおさんばかりに八つ当たりするのよ?」
「やかましい!!とし子にはカンケーない!!子どもを教育する権利はオレにあるのだ!!オドレは口出しするな!!」
アタシを怒鳴りつけたダンナは、まさおさんに対してニコニコした表情で言うた。
「まさお、大学は楽しいか?」
「うん、楽しいよ。」
「新しい友達はできたか?」
「うん、できたよ。」
「よかったねぇ…まさおはお兄ちゃんと違って、一生懸命勉強して高知大学に受かったよね…これから4年間、毎日楽しい日々がつづくから楽しみだね。」
「うん。」
「まさおは、大学でどんなことがしたいのかな?」
「大学でかわいい女の子を見つけて恋をする。」
「恋をする…か…まさおはハンサムで男前だから、かわいい女子大生とすぐに出会うことができるよ…見つかったらおとーさんに紹介してしてね。」
「うん。」
「きょうも1日、大学を楽しんでおいで。」
「うん。」
ダンナは、まさおさんに対して愛情を過度に注いでいた。
この時であった。
家の庭の茂みに、ももけた腹巻き姿で黒のサングラスをかけたヤキソバヘア男が隠れていた。
ヤキソバヘア男は、言うまでもなく竹宮豊国《たけみやとよくに》であった。
竹宮《たけみや》は、ちびたえんぴつでメモ書きをしながら盗み聞きしていた。
それから数日後に、新たな悲劇が始まりをつげた。
7度目の離婚以降、アタシは岡山倉敷とその周辺地域で2021年の秋ごろまでひとり暮らしをしていた。
アタシは再婚したくないと言うたのに、武方《たけかた》さんの奥さまから『やっぱり再婚した方がいいのではないか…』と言われた。
だからアタシは、イヤイヤお見合いして再婚した。
8度目の再婚相手は、高知市春野町南ヶ丘の高級住宅地で暮らしているすみおさん(48歳)であった。
すみおさんのお仕事は、南国市《なんこくし》のセメント製造会社で、経理のお仕事を26年間続けていた。
すみおさんは3年前に奥さまを亡くしたあと、ふたりの息子さんと3人で暮らしていた。
けれど、やっぱり母親が必要ではないのかと思って再婚を考えていた。
アタシは、金輪際再婚《こんりんざいさいこん》したくないと武方《たけかた》さんの奥さまに言うた。
それなのに、武方《たけかた》さんの奥さまが口をへの字に曲げて『天国にいるお父さんがどーのこーの…』…とアタシに言い返した。
だから、仕方なくすみおさんと再婚した。
それと…
アタシの父は、天国ではなく地獄に墜《お》ちたのよ!!
天国に行く資格なんか最初からなかったのよ!!
なんなのよ一体もう…
時は流れて…
2022年4月8日のことであった。
春野町南ヶ丘の高級住宅にある一戸建ての家の居間にて…
朝の食卓にすみおさんとふじおさん(23歳・フリーアルバイター)とまさおさん(18歳・高知大学1回生)が居て、いつも通りに朝ごはんを食べていた。
食卓の上には、ツナサンドとコンソメスープとサラダとスクランブルエッグが並んでいた。
ダンナ(すみおさんはダンナと表記します…けど、あいつに変わるかもしれない…)は、ふじおさんに対してはきつい表情をしていたが、まさおさんにはニコニコとした表情をしていた。
ふじおさんは、怒って家を飛び出した。
ふじおさんが座っていた席に置かれていた食事は、出来上がりのまま残っていた。
アタシは、ものすごくつらい声でダンナに言うた。
「あなた…きょうだいを比較しないでと言うたのに、どうしてふじおさんばかりに八つ当たりするのよ?」
「やかましい!!とし子にはカンケーない!!子どもを教育する権利はオレにあるのだ!!オドレは口出しするな!!」
アタシを怒鳴りつけたダンナは、まさおさんに対してニコニコした表情で言うた。
「まさお、大学は楽しいか?」
「うん、楽しいよ。」
「新しい友達はできたか?」
「うん、できたよ。」
「よかったねぇ…まさおはお兄ちゃんと違って、一生懸命勉強して高知大学に受かったよね…これから4年間、毎日楽しい日々がつづくから楽しみだね。」
「うん。」
「まさおは、大学でどんなことがしたいのかな?」
「大学でかわいい女の子を見つけて恋をする。」
「恋をする…か…まさおはハンサムで男前だから、かわいい女子大生とすぐに出会うことができるよ…見つかったらおとーさんに紹介してしてね。」
「うん。」
「きょうも1日、大学を楽しんでおいで。」
「うん。」
ダンナは、まさおさんに対して愛情を過度に注いでいた。
この時であった。
家の庭の茂みに、ももけた腹巻き姿で黒のサングラスをかけたヤキソバヘア男が隠れていた。
ヤキソバヘア男は、言うまでもなく竹宮豊国《たけみやとよくに》であった。
竹宮《たけみや》は、ちびたえんぴつでメモ書きをしながら盗み聞きしていた。
それから数日後に、新たな悲劇が始まりをつげた。