大切なもの
乃愛はキオが淹れてくれたホットココアを一口飲み、落ち着いた表情をした。
「KAI様は…私の…」
「言わなくて良いよ。」
キオが乃愛の言葉を遮った。
「あいつは…乃愛を手元に置いておきたいんだ。」
「………」
「乃愛…体は平気なのか?」
「KAI様が…ちゃんと居心地良くしてくれるから…」
「そうか…」
そう言うとキオは黙ったまま、乃愛を見据えた。
「私は…KAI様のお陰で…また大好きな家族の元で暮らせてるから…」
「…乃愛は自分のやりたい様にやれ。」
「…でも…KAI様は見てるわ。」
乃愛は遠くを見つめた。