大切なもの
次の日から、美幸は自転車で学校の登下校をする事にした。
「美幸〜!おはよ!あれ?チャリ?珍しいね〜!」
「おはよう。うん、ちょっとね〜歩くのかったるくて!」
「そうなんだぁ〜。」
加奈子は対して気にする事なく美幸と下駄箱へ向かった。
「美幸?元気ないね?」
「えっ?そんな事ないよー!」
「そう?何か、目ェ充血してるけど寝てないの?」
「寝た寝た!大丈夫だって〜!」
加奈子は不安気に美幸を見た。
"何か隠してる?どうしたんだろう…"
美幸の背中を見つめて加奈子は思ったがチャイムの音で思考は遮られた。