大切なもの
キオと謙一
謙一はKAIに案内され、魔界での自分の部屋に居た。
いつの間にか人間界での自室の物が全て同じ配置にあった。
KAIが気を利かせたのか────
謙一は考えていた。
キオに話を切り出すキッカケを。
今更な事過ぎて自分でも何と言って良いのかわからない────
「けーんいちっ♪」
SHIDOが魔王の妻と共に入ってきた。
「謙一。自由に暮らしなさい。不自由があれば遠慮しないで。ここで謙一の世話をしてくれる、ミオよ。」
魔王の妻の後ろから、小柄な女子が現れた。
「宜しくお願いします。」
丁寧に頭を下げるミオ。
謙一も頭を下げた。
「ミオは明日から謙一とキオが通うガッコーに行くんだよ!」
SHIDOが口を挟んだ。
「ご一緒させていただきます。」
ミオはまた一礼した。
魔王の妻は満足そうに部屋を出て行った。
「ミオー!ミルクティー飲みたい!」
SHIDDは当たり前の様に謙一の部屋のソファーに座り、ミオを促した。
「SHIDO様!私がそんな事したら、ナオに怒られます!」
「ナオ?」
「僕の付き人〜!」
「ふ〜ん。」
「冷たいよー、謙一!」
「俺は休む!SHIDO出てけ。」
「あーい。」
SHIDOは渋々出て行った。