大切なもの
謙一はミオと共に闇に消え、魔界へと足を踏み入れた。
─────
「謙一。どうしました?」
「………何もないけど…」
「…………」
ミオはコーヒーを淹れて謙一へカップを渡した。
「…うまい!!」
「でしょう?私、コーヒーには自信があるの。ふふ。」
謙一はミオの笑顔を見ながらコーヒーをまた一口含んだ。
「ミオ……俺は此処に足を踏み入れて良かったのか…?」
謙一がミオに問うと、ミオは笑みを浮かべて言った。
「良いも悪いも…あなた次第ですよ。」
「俺次第?」
「そう。良くも悪くもできるのは、あなた。」
謙一はミオの気持ちを噛み締めた。