急な辞令に納得いかないので人事部長を襲ってみたところ、返り討ちにあった件
佐藤俊生に連れられてきたのは行きつけの焼き鳥屋……ではなく、駅前の高級ホテルのレストランだった。あれれなんだろ。珍しい。

目を白黒させる私に「いつも頑張ってる大山さんにご褒美ですよ」なんて、滅多に拝めない甘やかな表情で佐藤俊生は語りかける。

たまにしか見せないイケメンのその表情の破壊力。
思わずときめいてしまって腰が砕けてしまいそうになる。

はわわ。やだもうカッコいい!ステキ!!もうどうにでもしてぇん!!!

……おっといけない。
どうにでもされちゃうのは私ではない。
本日は私が佐藤俊生をあんあん言わせて、「もうどうにでもしてえんっ」と言わせたいのだ。

気を取り直して、レストランで少しのお酒と美味しいお料理を堪能してお店を出たならいよいよ本題。

「今日はどちらのホテルに行きますか?」
「実はここのホテルを予約してるんですよ。」

なーんて言われてスマートにエスコートされ、そのままフロントでチェックイン。
案内されたのは、なんと夜景がキレイなスイートルームなのであった。

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