急な辞令に納得いかないので人事部長を襲ってみたところ、返り討ちにあった件
はわわわ。

風呂上がりの湯気が冷めやらぬ、部屋着姿のイケメンの美しさよ!!フワリ漂う爽やかな石けんの香りと佐藤俊生自身から漂う色気のアンバランスさが堪らない!!

カッコいいー!エロいー!!大好きー!!!

何度も見慣れている筈なのに、毎回ときめいてしまう。衝動的に抱きつきに行くが、そのままヒラリとかわされる。

「はいはいお嬢様、続きはお風呂から上がってきてからにしましょうね」

と、いつ泊まってもいいようにと置いてある、私の分の部屋着類を一式手渡され、そのまま浴室へ連行されてしまうのだった。

爽やかな香りが残る浴室に入り、シャワーを浴びて石けんを泡立てて体に這わせる。
佐藤俊生と同じ香りの滑らかな泡に包まれると、彼に体を撫でられているような錯覚を感じてしまい、今更ながらドキドキしてきてしまう。
『溺愛して下さい』だなんて初めて言う言葉だけど、佐藤俊生はどんな風に思っただろう。

念入りに身体の隅々まで洗って浴室を出ると、難しそうな本を読んでいた佐藤俊生は頭を上げて、ニコリと笑い、

「お待ち申しておりました、お姫様。」

と、抱きしめてそっとキスをしてくれたのだった。

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