振られた僕と雨宿り先で出会った不思議な少女

「私がほんとに圭のこと好きになったと思う?」

「あんたみたいなつまんない男のこと好きになるわけないじゃん」

「私、あんたに会うたびに笑い堪えるの大変だったんだからね」


 僕のことを心底馬鹿にしたように笑いながら美優が言っている。

 こんなこと彼女が言うはずない。
 だってあんなに優しくしてくれていたんだから。

 きっとこれは悪い夢なんだ。

 そうに違いない。
 目が覚めて学校に行ったら、いつも通りの優しい美優がいるはず。

 そうだ。絶対そうだ。


「……い。……丈……か」


 誰かが何かを言っている。
 よく聞こえなくて耳を澄ます。


「おい。起きろ」


 これは少女の声だ。
 でも、ここにはいないはずなのに、どうして少女の声が聞こえるのだろうか。

 そこで体が大きく揺れる。
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