アンコール マリアージュ
先はまだまだ長いですか?!
 「え?拓真くん、寮に入るの?」

 次の日、挙式を終えた控え室で、真菜や拓真、希や有紗は、それぞれ自分の片付けをしていた。

 「そ!いい年の男がいつまでも実家暮らしってのもどうかと思ってな。問い合わせたら、ちょうどお前の所の寮に空きがあるって」
 「そうなのね!拓真くん来てくれると嬉しい!引っ越しはいつ?」
 「6月入ると挙式続きになるからさ。5月中には引っ越そうと思ってる」
 「そっか。決まったら教えてね。私、手伝いに行くよ」
 「おお、ありがとう」

 二人のやり取りに、希と有紗はニヤリと顔を見合わせた。

 「拓真」

 希が後ろからグイッと首に手を回す。

 「ぐえっ!苦しいっすよ、先輩」
 「やるじゃんよー、このこの!」

 拓真の髪をくしゃくしゃにする希に、有紗も頷く。

 「ほんと!拓真くん、ついに行動に出たわね。頑張って!応援してる」

 そういうんじゃないですって!と、拓真は希の手から逃れようとする。

 「まあまあ、いつでも相談に乗るからさ」
 「そうそう、逐一報告してね」

 二人で顔を寄せると、拓真は諦めたように頷いた。
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