アンコール マリアージュ
 「新郎新婦のお二人、控え室にご案内します」

 インカムで連絡すると、真菜はご家族を控え室に連れて来た。

 希と有紗が、立ち上がって挨拶する。

 真菜は、お二人に早速ウェディングドレスを見せた。

 「事前にお母様とご相談しまして、いくつかお持ちしました。この中にお好きなドレスはございますか?他のドレスもお持ちしましょうか?」

 笑顔で問いかけると、新婦は急にポロポロと涙を溢し始めた。

 真菜は思わずギョッとする。

 「あ、あの、新婦様?」
 「ご、ごめんなさい。あの、あまりに素敵でびっくりしてしまって。私、こんなに綺麗なドレスを着てもいいの?」
 「もちろんです!どれかお気に召したドレスはございますか?」
 「え、そんな、選べないわ。どれも素敵で」

 すると、お母様が横から声をかける。

 「由香里、これなんてどう?あなた、前にこれに似たドレスの写真をじっと見てたでしょ?」
 「本当だ。これ、由香里の好きそうな感じだな」

 男の子を抱いたパパも頷く。

 「うん、これ、凄く素敵。ずっと憧れてたの、こういうドレス。これを着てもいいですか?」
 「もちろんです!」

 真菜は笑顔で頷いた。
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