アンコール マリアージュ
これが恋人達の気持ちですか?!
 2日後、約束の日。

 真菜は朝から鏡の前で、ああでもないこうでもないと、頭を悩ませながら身支度を整えていた。

 「今日は、告白からプロポーズまで、全てを網羅出来る様な服装にしなくっちゃ」

 経験がない分、頭でっかちになってしまい、いまいちどれが正解なのか分からない。

 取り敢えずワンピースなら、コーディネートで失敗する事もないだろうと、クローゼットから淡いピンクのノースリーブワンピースを取り出した。

 その上に、オフホワイトのパフスリーブのボレロを羽織る。

 「うん、これでいいか」

 化粧は、腕がないためいつもの軽いメイク。
 髪型も、唯一これなら出来るという、ハーフアップにした。

 小さなバッグを斜め掛けし、足元は歩きやすいペタンコのバレエシューズにする。

 そして最後に『お客様のとっておきスポット』と書いたメモ帳を見直し、よし、と頷いてバッグにしまってから部屋を出た。
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