アンコール マリアージュ
 「はー、気持ちいいなー」

 食べ終わると真は、芝生にゴロンと仰向けに寝転ぶ。

 「真さん、お洋服汚れちゃいますよ?」
 「んー?そんなの全然構わない」

 ふふっと笑って、真菜も隣に寝転んだ。

 「真菜こそ、綺麗な服が汚れるぞ?」
 「全然構いませーん」

 そして二人で、しばらく空を見上げる。

 「…なんか、ずっとこうしていたいな」
 「うん。とっても気持ちいい」

 心地良い風、波の音、子ども達の声、明るい陽射し…

 真菜は目を閉じて、身体中に自然を感じる。

 (はあー、落ち着くなあ)

 そして、ふと隣の真を見た。

 同じ様に目を閉じているが、ピクリとも動かない。

 「…真さん?ひょっとして、寝てる?」

 返事はない。

 真菜はふふっと笑って、真の寝顔を見つめる。

 (気持ち良さそうだなー。それにしてもまつ毛長ーい。前髪が風にサラサラ揺れて、おでこが見える。かっこいいなー)

 頬杖を付いてじっと真の寝顔を見ていた真菜は、またメモ帳を取り出すと、熱心に書き込んだ。
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