アンコール マリアージュ
 下を向き、ニヤニヤと笑いながら真菜は真と肩を並べて歩き始める。

 「良かったー。1発OKで」
 「うん。とっても素敵なプロポーズでした。これは浮かれちゃいますね。なるほどー。こうして新婦様は、幸せな結婚式を夢見るんですね」
 「よし!今日のミッションは無事にクリアしたぞー!」
 「あ、まだですよ」

 え…と、挙げた右手を下ろしながら、真が気弱な表情で真菜を振り返る。

 「プロポーズし終わったのに?まだ何かあるのか?」
 「あります。あれです」
 「あれって?」

 真は真菜の指差す方を見上げた。

 そこには、煌めく大きな観覧車があった。
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