アンコール マリアージュ
 その後の対応は梓に任せ、真菜はまた控え室へと走る。

 ちょうどヘアメイクが完成し、カーテンの中で希が新婦のお着替えを手伝っているところだった。

 真菜は、インカムのボタンを押して話し始める。

 「控え室、真菜です。そろそろお二人お着替え完了します」
 「オフィス、拓真、了解。そちらに向かいまーす」

 その時、カーテンが開いて、ドレス姿の新婦がゆっくりと歩み出た。

 「うわー、なんてお美しい!」

 真菜は、思わず目を潤ませる。

 ドレスの試着の際にも見たはずなのに、なぜに今日の新婦は、こうも美しさを増しているのか。

 きっと、幸せのオーラをも、まとっているからなのだろう。

 「新郎様、ね!素敵ですよね!」

 感激のあまり、真菜は新郎に同意を求めるべく振り返る。

 「ああ、本当に…。凄く綺麗だよ、亜希」
 「ありがとう、夏樹くん、真菜さん」

 新婦も少し目を潤ませていた。
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