アンコール マリアージュ
 写真スタジオでの集合写真と、お二人の写真を撮り終え、少しメイクを直してから、披露宴会場の扉の前へと移動する。

 「お腹空きましたよね?たくさん食べて下さいね!」

 真菜が笑顔でお二人にそう言うと、拓真がこっそり、お前は腹、鳴らすなよと囁いてくる。

 ふーんだ!と真菜は膨れてみせた。

 「披露宴会場、久保。こちらは準備完了です。司会者もいつでもいけます」
 「真菜、了解です。こちらも準備OK。始めて下さい」

 やがて司会者の、新郎新婦のご入場です!のセリフが聞こえ、音楽が流れ始めた。

 「それでは、扉開きます」

 お二人にそう言って、真菜は希と扉を開いた。

 スポットライトの中に歩み出たお二人が、深くお辞儀をしてから歩き始める。

 真菜はすぐ後ろを影武者の様について行き、ドレスのトレーンをさばく。

 高砂席に誘導すると、お辞儀をしてから座る新婦の椅子を引き、ブーケを預かってスタンドに挿してから壁際に下がった。
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