アンコール マリアージュ
「じゃあな」
「うん、また明日」
「あ、俺明日と明後日、他店ヘルプなんだわ」
「そうなんだ。頑張ってね」
寮の部屋の前で拓真と別れ、真菜は鍵を開けて中に入る。
「ふう、疲れた…」
ペタンと床に座り込むと、ベッドに両腕を載せて顔を埋める。
さっきの拓真の言葉が思い出された。
(確かにあのテレビ放送以降、急に忙しくなったな。明日の雑誌の反響、どうかなー?また忙しくなるのかな)
身体は疲れ切り、食欲もない。
だが、ふと壁に貼った写真に目をやると、真菜はふふっと笑みを洩らす。
(真さん、今日もかっこいいなー。写真だから当たり前だけど。これを見てると、元気になれる)
そして、ローテーブルの引き出しからメモ帳を取り出した。
あの日、真とみなとみらいを巡った時の手帳だ。
臨港パークのページをめくってみる。
『子ども達に頼まれて、カニを捕まえる真さん。優しく海に帰すんだぞ?だって♡』
『服が汚れるのも気にせず、芝生に寝転んで眠ってしまった。思わず寝顔に見とれちゃう。かっこいいなー』
あの時書き込んだ自分の文字をなぞり、なぜだか胸が熱くなって涙がこみ上げる。
(本当はどうしたいんだろう、私。真さんと話したいのに、話したくない。会いたいのに、合わせる顔がない。でも、本音はやっぱり会いたい。ただ黙って抱き締めてくれたら、それだけでいいのにな…)
ふと思い出し、テーブルの引き出しの奥から封筒を取り出す。
そして、たった1枚残されていた写真を手にした。
最初は、捨てるに捨てられないと思っていた写真。
その次は、照れくさくて貼れないと封印した写真。
でも今は…。
今となっては宝物の様なその写真を、真菜はそっとテープで壁に貼った。
「うん、また明日」
「あ、俺明日と明後日、他店ヘルプなんだわ」
「そうなんだ。頑張ってね」
寮の部屋の前で拓真と別れ、真菜は鍵を開けて中に入る。
「ふう、疲れた…」
ペタンと床に座り込むと、ベッドに両腕を載せて顔を埋める。
さっきの拓真の言葉が思い出された。
(確かにあのテレビ放送以降、急に忙しくなったな。明日の雑誌の反響、どうかなー?また忙しくなるのかな)
身体は疲れ切り、食欲もない。
だが、ふと壁に貼った写真に目をやると、真菜はふふっと笑みを洩らす。
(真さん、今日もかっこいいなー。写真だから当たり前だけど。これを見てると、元気になれる)
そして、ローテーブルの引き出しからメモ帳を取り出した。
あの日、真とみなとみらいを巡った時の手帳だ。
臨港パークのページをめくってみる。
『子ども達に頼まれて、カニを捕まえる真さん。優しく海に帰すんだぞ?だって♡』
『服が汚れるのも気にせず、芝生に寝転んで眠ってしまった。思わず寝顔に見とれちゃう。かっこいいなー』
あの時書き込んだ自分の文字をなぞり、なぜだか胸が熱くなって涙がこみ上げる。
(本当はどうしたいんだろう、私。真さんと話したいのに、話したくない。会いたいのに、合わせる顔がない。でも、本音はやっぱり会いたい。ただ黙って抱き締めてくれたら、それだけでいいのにな…)
ふと思い出し、テーブルの引き出しの奥から封筒を取り出す。
そして、たった1枚残されていた写真を手にした。
最初は、捨てるに捨てられないと思っていた写真。
その次は、照れくさくて貼れないと封印した写真。
でも今は…。
今となっては宝物の様なその写真を、真菜はそっとテープで壁に貼った。