アンコール マリアージュ
 寮に着くと、足元のおぼつかない真菜を支えて部屋に入る。

 真菜はなんとか玄関で靴を脱いだが、その場に崩れそうになり、真は抱き上げてベッドに寝かせた。

 「真菜、大丈夫か?」

 かろうじて頷いてみせたが、辛そうに荒い息を繰り返している。

 真はキッチンへ行き、ゴソゴソと氷枕を探したが、どうやら置いてないらしく、代わりに大きめの保冷剤を取り出した。

 濡らしたハンカチで包み、真菜の額に載せる。

 きちんと留めてあったブラウスのボタンも、上から2つ程外した。

 真菜は、どうやらすっかり寝入ったらしい。

 (ずっと寝不足だったんだろうな)

 真菜の寝顔を見つめながら、真はそっと頭をなでた。

 「ごめんな、真菜」
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