アンコール マリアージュ
「ひゃー!イケメンー!」
「すげー、姉ちゃん、マジかよー」
実家の玄関を開けるなり、真菜の母親と弟の真吾は、真を見て大声を上げた。
「ちょっと!恥ずかしいでしょ!」
真菜が慌てて止める。
「お、お父さん!凄い人が来たわよ!」
母親がバタバタと走って行き、父親の手を引いて戻って来た。
「こりゃまたー、盆と正月が一緒に来たなー」
「な、何言ってんのよ?お父さんまで。真さん、すみません。もう上がって下さい」
「ああ。じゃあ、お邪魔します」
笑いを堪えながら真がそう言うと、
「ひゃー!声までイケてる!」
「マジだよ、イケボ!」
またもや大騒ぎする。
リビングに入ると挨拶もそこそこに、真は質問攻めにされる。
「真さん、視力は大丈夫?真菜の顔は良く見えてますか?」
「姉ちゃん、泣くと、すんげーブサイクになるんですよ。見たら、ドン引きしますよ」
「やー、でも、そのあと返品されても困るんで。やめるなら、今のうちに…」
真菜は、もうー!と怒って遮る。
「何言ってんのよ?みんな」
「だってお前、あとで真さんが正気に戻った時の為に、なあ?」
「そうそう。クーリングオフについて、説明をね」
「私は通販で売ってないっつーの!」
真菜が大声を出すと、真は我慢の限界とばかりに笑い出した。
「いや、そのすみません。どうにも、堪え切れなくて…」
そしてようやく笑いを収めると、真剣に話し出す。
「私は、視力も問題なく、真菜さんの顔も良く見えています。彼女が号泣すると顔が、その、やや変形するのも承知しています。それに、彼女を一生手放すつもりはありません。どうか、私を真菜さんと結婚させて頂けないでしょうか?」
そう言って頭を下げると、また皆は、わー!と騒ぎ出す。
「そ、そんな!頭を上げて下さい!」
「そうですよ。私達の許可なんていりませんから!」
「どうぞ!ご自由にお持ち下さい」
「私はレジの横の飴玉かー!」
真菜が叫んで、皆は大笑いする。
「いやー、とにかく良かった!な、真菜」
「ほんとよー。これは、この町の奇跡よ!あんた、伝説になるわよ」
お酒も入り、寿司を囲みながら、終始嬉しそうな両親の横で、真吾がそっと真に話しかける。
「でも真さん。これは単なるバカな弟の呟きなんですけど…。姉ちゃんを選んだ真さんは、なかなかお目が高いと俺は思います」
すると真もニヤッと笑った。
「真吾くん。実は俺もそう思ってるんだ」
二人は、ニッと笑いながら、グラスをカチンと合わせた。
「これからよろしくな、真吾くん」
「はい、お兄さん」
「すげー、姉ちゃん、マジかよー」
実家の玄関を開けるなり、真菜の母親と弟の真吾は、真を見て大声を上げた。
「ちょっと!恥ずかしいでしょ!」
真菜が慌てて止める。
「お、お父さん!凄い人が来たわよ!」
母親がバタバタと走って行き、父親の手を引いて戻って来た。
「こりゃまたー、盆と正月が一緒に来たなー」
「な、何言ってんのよ?お父さんまで。真さん、すみません。もう上がって下さい」
「ああ。じゃあ、お邪魔します」
笑いを堪えながら真がそう言うと、
「ひゃー!声までイケてる!」
「マジだよ、イケボ!」
またもや大騒ぎする。
リビングに入ると挨拶もそこそこに、真は質問攻めにされる。
「真さん、視力は大丈夫?真菜の顔は良く見えてますか?」
「姉ちゃん、泣くと、すんげーブサイクになるんですよ。見たら、ドン引きしますよ」
「やー、でも、そのあと返品されても困るんで。やめるなら、今のうちに…」
真菜は、もうー!と怒って遮る。
「何言ってんのよ?みんな」
「だってお前、あとで真さんが正気に戻った時の為に、なあ?」
「そうそう。クーリングオフについて、説明をね」
「私は通販で売ってないっつーの!」
真菜が大声を出すと、真は我慢の限界とばかりに笑い出した。
「いや、そのすみません。どうにも、堪え切れなくて…」
そしてようやく笑いを収めると、真剣に話し出す。
「私は、視力も問題なく、真菜さんの顔も良く見えています。彼女が号泣すると顔が、その、やや変形するのも承知しています。それに、彼女を一生手放すつもりはありません。どうか、私を真菜さんと結婚させて頂けないでしょうか?」
そう言って頭を下げると、また皆は、わー!と騒ぎ出す。
「そ、そんな!頭を上げて下さい!」
「そうですよ。私達の許可なんていりませんから!」
「どうぞ!ご自由にお持ち下さい」
「私はレジの横の飴玉かー!」
真菜が叫んで、皆は大笑いする。
「いやー、とにかく良かった!な、真菜」
「ほんとよー。これは、この町の奇跡よ!あんた、伝説になるわよ」
お酒も入り、寿司を囲みながら、終始嬉しそうな両親の横で、真吾がそっと真に話しかける。
「でも真さん。これは単なるバカな弟の呟きなんですけど…。姉ちゃんを選んだ真さんは、なかなかお目が高いと俺は思います」
すると真もニヤッと笑った。
「真吾くん。実は俺もそう思ってるんだ」
二人は、ニッと笑いながら、グラスをカチンと合わせた。
「これからよろしくな、真吾くん」
「はい、お兄さん」