アンコール マリアージュ
 「はーい、そのまま。撮ります!」

 拓真の声を聞きながら、真菜は真と微笑み合う。

 桜の木の下で、拓真はたくさんの写真を撮ってくれた。

 「拓真くん、本当にありがとう」

 真菜が礼を言うと、拓真は、やめてくれと言わんばかりに手を振った。

 「ちょっと今は仕事モードにさせてくれ。なかなかヘビーな体験だからな。好きだった相手のブライダルフォト撮るなんてさ」
 「うん、本当にありがとうね」
 「いや、でも…お前を誰よりも綺麗に撮れるのはこの俺だ。お前の幸せな瞬間を、めちゃくちゃいい写真にしてみせるよ」

 そう言って、拓真は真菜に笑いかける。

 真菜は心の中でもう一度、ありがとうと呟いた。
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