アンコール マリアージュ
 「それではこれより、齊藤 真様と真菜様の、ご結婚披露宴を始めさせて頂きます。えー、ご本人達は、全く内容をご存知ありません。ここにいらっしゃる皆様、ぜひ今日は、新郎新婦のお二人の、あんな事やこんな事、たくさんお話しちゃって下さいねー!」

 イエーイ!と、なぜか皆は異様に盛り上がる。

 乾杯もそこそこに、早速皆がスピーチを始めた。

 「えー、まずはわたくし、ヘアメイクの希から。真菜はですね、えーそれはもう、夢見る夢子ちゃんでして。いつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれると、小学6年生まで信じていたそうです。サンタクロースもびっくりですよねー。でも、真さんという王子様が迎えに来てくれたので、やっぱり信じてて良かったね!真菜。本当におめでとう!」

 「続いては、私、フラワーアーティストの有紗からです。真菜ちゃんは、それはもう純粋でして…。私に熱心に花言葉を聞いてくるんです。特に聞かれたのは、愛の花言葉ですね。永遠の愛、私を愛して、などなど、これらは全て真菜ちゃんの大事なノート、真菜のDream Wedding♡にメモされています。今日ついに、そのノートは陽の目を見る事が出来たでしょう。ちなみに今日私が真菜ちゃんに贈ったブーケは、もちろん愛の花言葉をたくさん持つ薔薇、そして、幸福な愛という意味のブルースター、愛される花嫁、という意味のマダガスカルジャスミンも入れて作りました。真菜ちゃん、どうぞお幸せにね」

 真菜は、恥ずかしいやら嬉しいやら、百面相しながらスピーチを聞く。
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