アンコール マリアージュ
もしや社長一族ですか?!
 4月2日の日曜日。
 フェリシア 横浜では、満開の桜の下で、宣材写真を撮る事になっていた。

 モデルはもちろん、いつもの二人だ。

 「おはようございます!」

 さわやかな笑顔を浮かべ、芸能人のようなオーラをまとった陸と璃子が、約束の時間より少し早くオフィスに入って来た。

 「わー、陸・璃子ちゃん。今日もとびきり素敵ね」
 「ほんと!オフィスの空気が浄化される気がするわ」
 「目の保養よねー」

 次々と声をかけるスタッフに、陸と璃子は神妙な面持ちで切り出す。

 「それより、先日のブライダルフェアでは、事務所の手違いでご迷惑をおかけしました」

 二人で丁寧にお辞儀をする。

 「ううん、あなた達のせいじゃないわよ」
 「そうよ、気にしないで。顔を上げて」
 「これからは、あなた達にも確認の電話を入れるわね」

 梓や希が声をかけ、最後に久保が近付いて二人に笑いかける。

 「頼りにしてるわよ。これからもよろしくね!」
 「はい!」

 二人は、さらに素敵な笑顔で頷いた。
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