アンコール マリアージュ
美佳から受け取った冊子を、真菜はパラパラとめくってみる。
「おいおい、トレーナーさん。あなたも入社した時、その冊子はもらってるはずでしょ?それに最新の会社概要は、いつでもパソコンから見られるわよ」
まったく…と真菜にぼやく久保の声は、どうやら耳に入っていないらしい。
真菜は、真剣な表情で冊子に目を通している。
「美佳ちゃん、真菜はね、まっっったく社長一族とは無関係よ。たまたま名字が一緒なだけなの」
「そうなんですね。ちょっとホッとしました。もし社長のご令嬢とかだったらって思って、緊張してたので」
「えー、真菜が社長令嬢?!ないない!」
周りの皆も、笑いながら否定する。
「ほんと、想像しただけで笑っちゃう。真菜がお嬢様なんて、ねえ?」
そう言って皆が真菜に注目した時、当の本人は、あーー!と大きな声を上げた。
「びっくりしたー。何よ?どうかしたの?真菜」
真菜は答えもせず、冊子の1ページに釘付けになっていた。
(こ、これ…。関連会社の『株式会社 アニヴェルセル・エトワール』専務取締役、齊藤 真って…)
急いで他の項目にも目を通す。
(確か、親会社のプルミエール・エトワールの社長って、そう!齊藤 進。で、会長が齊藤 正。みんな下の名前は漢字一文字、ってことは…)
たまたま名字が同じだけの自分とは違う。
齊藤 真は、きっと正真正銘、社長一族の一員…。
「ひょえーー!」
周りの皆が目を丸くするのも気にせず、真菜は驚きのあまり叫びながら固まった。
「おいおい、トレーナーさん。あなたも入社した時、その冊子はもらってるはずでしょ?それに最新の会社概要は、いつでもパソコンから見られるわよ」
まったく…と真菜にぼやく久保の声は、どうやら耳に入っていないらしい。
真菜は、真剣な表情で冊子に目を通している。
「美佳ちゃん、真菜はね、まっっったく社長一族とは無関係よ。たまたま名字が一緒なだけなの」
「そうなんですね。ちょっとホッとしました。もし社長のご令嬢とかだったらって思って、緊張してたので」
「えー、真菜が社長令嬢?!ないない!」
周りの皆も、笑いながら否定する。
「ほんと、想像しただけで笑っちゃう。真菜がお嬢様なんて、ねえ?」
そう言って皆が真菜に注目した時、当の本人は、あーー!と大きな声を上げた。
「びっくりしたー。何よ?どうかしたの?真菜」
真菜は答えもせず、冊子の1ページに釘付けになっていた。
(こ、これ…。関連会社の『株式会社 アニヴェルセル・エトワール』専務取締役、齊藤 真って…)
急いで他の項目にも目を通す。
(確か、親会社のプルミエール・エトワールの社長って、そう!齊藤 進。で、会長が齊藤 正。みんな下の名前は漢字一文字、ってことは…)
たまたま名字が同じだけの自分とは違う。
齊藤 真は、きっと正真正銘、社長一族の一員…。
「ひょえーー!」
周りの皆が目を丸くするのも気にせず、真菜は驚きのあまり叫びながら固まった。