アンコール マリアージュ
 「違いをひと言で申しますと、神様に愛を誓うのがキリスト教式、列席の皆様に証人となって頂いて愛を誓うのが人前式です。キリスト教式は、チャペルで執り行います。列席の方がお席に着かれたあと、まずは新郎様がお一人で、それから新婦様がお父様とご一緒に入場されます。そのあとは、牧師さんが式を進行します。讃美歌を歌い、ご祈祷、誓いの言葉、指輪の交換、誓いのキス、結婚証明書にサインをして、列席の方の祝福を受けながら退場という流れですね」

 「よくドラマとかで見る感じですよね?」

 新郎が真菜を見て問いかける。

 「そうですね。皆様がイメージされているものは、このキリスト教式が多いと思います。ここフェリシア 横浜は、ガーデンでの人前式も人気があるんですよ」
 「え、ガーデンで?」

 身を乗り出す新郎に、真菜は微笑みながら説明する。

 「はい。フェリシア 横浜では、季節ごとに様々なお花が咲くガーデンがあります。ガーデンの中央に広いスペースがありますので、そこで式を挙げることが出来ます。人前式は特に決まりもないので、自由にお二人らしさを出した式に出来ますよ。お花に囲まれているので、ブーケセレモニーもお勧めです」

 「え、何ですか?その、ブーケセレモニーって」

 興味津々といった様子の新郎に、真菜は、まず中世ヨーロッパから伝わったブーケの由来を話し始める。
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