アンコール マリアージュ
「お疲れ様です。あのー、モデルさん達まだですか?」
久保が、えっ?!と驚いて立ち上がる。
「10時にいつも通り控え室に来てると思ったけど…。まだなの?」
「ええ。私、ずっと控え室で待ってましたけど、誰も…」
オフィス内がざわつき始める。
「真菜、今日のモデルさん達確認してくれる?確か、陸くん、璃子ちゃんカップルのはずよね?」
真菜は、発注ファイルをめくりながら返事をする。
「はい。モデル事務所にも依頼済みで、確認のFAXバックも保管してあります」
「じゃあ電車の遅延とかかしら…」
「私、二人の携帯に電話してみます」
真菜は連絡先を調べ、まずは璃子の携帯番号にかけてみた。
しかし電源を切っているらしく、おかけになった電話は…というアナウンスが流れるだけだ。
陸の方にもかけてみたが、同じだった。
どう?と身を乗り出してくる久保に、真菜は首を振る。
「おかしいわね。あの二人、遅れて来たことなんてないのに」
「そうですよね。しかも携帯も繋がらないなんて」
ブライダルフェアでは毎回、見学に来たカップルにここでの挙式をイメージしてもらえるよう、模擬挙式を行っている。
モデルの二人が新郎新婦となり、本番さながら、一連の式の流れを列席者の側から見てもらうのだ。
この模擬挙式で、いかに素敵だなと思ってもらえるかによって、その後の接客が大きく変わってくる。
いわばフライダルフェアの一番の要なのだ。
久保が、えっ?!と驚いて立ち上がる。
「10時にいつも通り控え室に来てると思ったけど…。まだなの?」
「ええ。私、ずっと控え室で待ってましたけど、誰も…」
オフィス内がざわつき始める。
「真菜、今日のモデルさん達確認してくれる?確か、陸くん、璃子ちゃんカップルのはずよね?」
真菜は、発注ファイルをめくりながら返事をする。
「はい。モデル事務所にも依頼済みで、確認のFAXバックも保管してあります」
「じゃあ電車の遅延とかかしら…」
「私、二人の携帯に電話してみます」
真菜は連絡先を調べ、まずは璃子の携帯番号にかけてみた。
しかし電源を切っているらしく、おかけになった電話は…というアナウンスが流れるだけだ。
陸の方にもかけてみたが、同じだった。
どう?と身を乗り出してくる久保に、真菜は首を振る。
「おかしいわね。あの二人、遅れて来たことなんてないのに」
「そうですよね。しかも携帯も繋がらないなんて」
ブライダルフェアでは毎回、見学に来たカップルにここでの挙式をイメージしてもらえるよう、模擬挙式を行っている。
モデルの二人が新郎新婦となり、本番さながら、一連の式の流れを列席者の側から見てもらうのだ。
この模擬挙式で、いかに素敵だなと思ってもらえるかによって、その後の接客が大きく変わってくる。
いわばフライダルフェアの一番の要なのだ。