アンコール マリアージュ
これが同棲というものですか?!
 次の日の朝、出勤した真菜は、久保や梓達に取り囲まれる。

 「真菜!一体、昨日のあれはどういう事?」
 「は?昨日のあれって?」
 「専務よ専務!」
 「専務?って誰ですか」
 「何とぼけてんのよー」

 皆から責められ、真菜は困惑する。

 「いや、あの、何の事やら」
 「とぼけたって無駄よ。みんな知ってるんだから」
 「え?何を?」
 「だーかーら!昨日、いきなり専務が現れて、真菜は?って」
 「キャー!そうそう、真菜は?って呼び捨てにしてた」

 ん?と一瞬考えたあと、あ!と真菜は声を上げた。

 「専務!そうだ、思い出した、専務だったんだ」
 「え、何?」

 今度は皆が困惑した時だった。

 「真菜先輩!」

 胸に書類を抱えた美佳が、真菜に近付いて来た。

 「おはようございます。あの、昨日の園田様・上村様の打ち合わせ内容の確認、お願いしてもいいですか?」
 「あ、そうね。ごめんね、昨日確認せずに帰っちゃって。サロンの方でやろうか」

 そう言って真菜も資料を取り出し、美佳と二人でサロンに向かう。

 「あ~あ、結局聞きそびれちゃった…」

 梓が残念そうに呟いた。
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