アンコール マリアージュ
 「うわー、広い!綺麗!素敵〜」

 真の新居に1歩足を踏み入れた真菜は、あまりの豪華さに感激した。

 「凄い!夜景が、めちゃくちゃ夜景!」
 「お前、日本語おかしくないか?」

 荷物を床に下ろしながら、真が呆れたように言う。

 「だって、冷静に話せないんだもん。こんな、まるで夢の世界…。見て!あっち、海が見えるよ。それに、あっ!観覧車も見える」
 「いつまで窓にへばり付いてる気だ?」
 「いつまででも〜」

 やれやれと、真はソファにドサッと身を投げる。

 (取り敢えず、ここなら1人で帰って来るのも平気だろう。人通りの少ない道もないし、マンションのセキュリティーも万全だ。あとは、やはりあの新婦の様子をうかがうしかないか…)

 ちらりと真菜に目を向ける。

 子どものようにはしゃいで、窓の外に釘付けになっている真菜の笑顔に、真もふっと頬を緩めた。
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