アンコール マリアージュ
 「お疲れ様ー、かんぱーい」

 ゴクゴクとビールを喉に流し込む。

 「はあー、美味しい!」
 「ほんと。仕事上がりのビールって、なんでこんなに美味しいの?」
 「うわっ、有紗さん、もうグラス空っぽ!」

 拓真が驚くと、有紗がえへへーと笑う。

 「でしょー?びっくりよね。こんな綺麗なお姉さんが、まさか酒豪だなんてさ」
 「希ちゃん、酒豪じゃないわよ。お酒を嗜む大人の女性よ」
 「いやー、これはそんなレベルじゃないっすよ」
 「えー、拓真くんまで、何よー」

 料理が来る前から、ワイワイと盛り上がる。

 「珍しいよねー、みなとみらいにこの3人って」
 「確かに。まあ、平日の夜挙式ってのがそもそも珍しいですよね」

 運ばれてきた焼き鳥を食べながら拓真がそう言うと、いきなり希がグイッと顔を近付けてきた。

 「ね、拓真。あんた、何か知ってる?」
 「は?何かって、何を?」
 「真菜のこと!」
 「真菜?どうかしたんですか?あいつ」

 すると希は真顔になって、拓真と有紗を交互に見る。

 なんだ?とばかりに、二人は希に顔を寄せた。
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