アンコール マリアージュ
「最近ね、フェリシア 横浜のオフィス、真菜の話題で持ちきりなの。何でも、ある日いきなりオフィスに専務が現れてね」
「専務?って、誰っすか?」
「海外事業部から帰って来たばかりの、ほら!模擬挙式で真菜の新郎役だった…」
「あー、あのイケメン?!」
思い出したように、有紗がポンと手のひらを打つ。
「そう、そのイケメン専務がね。閉店後に急にオフィスに来て、ひと言ボソッと言ったんだって。真菜は?って」
「えっ、真菜は?って、呼び捨てで?」
「そう!」
「キャー!キュンキュンしちゃうー!それでそれで?」
有紗は両手で頬を押さえながら目を輝かせる。
「真菜は今接客中ですって答えたら、じゃあ表で待ってるって」
「いやーん、何それー?で、真菜ちゃんは?そのあと一緒に帰ったって事?」
「らしいよ。みんなでコッソリ覗いてたら、二人で車に乗ってどこかに行ったんだって」
有紗は、後ろに倒れそうなほど仰け反ってキャーキャー言っている。
(何だそれ?どこかってどこに行ったんだ?)
拓真の疑問を、有紗が聞いてくれる。
「それで?そのあとどうなったの?」
「それがさ、次の日真菜に問い詰めても、何か上手くはぐらかされて聞けず仕舞いだったんだって」
「ふーん、付き合ってるのかしら、二人」
拓真は思わず、えっと声を上げそうになり、慌てて口を塞ぐ。
「それがさー、そうでもないみたいなんだって」
「どうして?」
「しばらくして、専務が真菜と一緒に、お客様とサロンで真剣にお話しててさ。どうやら新婦様に何かあったらしくて、その件で新郎様が、専務と真菜に話をしたみたいなの」
「ふーん。じゃあ、専務はそのお客様との事で、真菜ちゃんと色々話をしたって感じ?」
「そうみたい」
そして希は、急に拓真を振り返る。
「拓真は?真菜から何か聞いてないの?」
「え?いや、俺は何も…」
「そっか。でもさ、私はまだ何かあるんじゃないかって気がするんだよねー」
希は腕を組んで宙を見たあと、また拓真に向き直った。
「専務?って、誰っすか?」
「海外事業部から帰って来たばかりの、ほら!模擬挙式で真菜の新郎役だった…」
「あー、あのイケメン?!」
思い出したように、有紗がポンと手のひらを打つ。
「そう、そのイケメン専務がね。閉店後に急にオフィスに来て、ひと言ボソッと言ったんだって。真菜は?って」
「えっ、真菜は?って、呼び捨てで?」
「そう!」
「キャー!キュンキュンしちゃうー!それでそれで?」
有紗は両手で頬を押さえながら目を輝かせる。
「真菜は今接客中ですって答えたら、じゃあ表で待ってるって」
「いやーん、何それー?で、真菜ちゃんは?そのあと一緒に帰ったって事?」
「らしいよ。みんなでコッソリ覗いてたら、二人で車に乗ってどこかに行ったんだって」
有紗は、後ろに倒れそうなほど仰け反ってキャーキャー言っている。
(何だそれ?どこかってどこに行ったんだ?)
拓真の疑問を、有紗が聞いてくれる。
「それで?そのあとどうなったの?」
「それがさ、次の日真菜に問い詰めても、何か上手くはぐらかされて聞けず仕舞いだったんだって」
「ふーん、付き合ってるのかしら、二人」
拓真は思わず、えっと声を上げそうになり、慌てて口を塞ぐ。
「それがさー、そうでもないみたいなんだって」
「どうして?」
「しばらくして、専務が真菜と一緒に、お客様とサロンで真剣にお話しててさ。どうやら新婦様に何かあったらしくて、その件で新郎様が、専務と真菜に話をしたみたいなの」
「ふーん。じゃあ、専務はそのお客様との事で、真菜ちゃんと色々話をしたって感じ?」
「そうみたい」
そして希は、急に拓真を振り返る。
「拓真は?真菜から何か聞いてないの?」
「え?いや、俺は何も…」
「そっか。でもさ、私はまだ何かあるんじゃないかって気がするんだよねー」
希は腕を組んで宙を見たあと、また拓真に向き直った。