これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
聞く耳も持たれず、ばっさりと遮られる。
うるさい、だまれ、お前の意見なんか別に聞いてねーんだよ。
言いたいことはそんなところ?
「こんなとこでなに言ってんだよ。そーいう空気も読めないとこ、マジつまんねえし疲れるし恥ずかしいんだって」
つまらない、が、分からないから。
じゃあ面白い、を、教えてほしい。
恥ずかしい、も、分からないから。
だから恥ずかしくない、を、教えてよ。
あなたにとってそういう人は、どういう人なの…?
ゲームを買ってくれる人…?
それとも甘えるのが上手で、ちょっとだけわがままで、でもそれを許せちゃうくらいに可愛い女の子…?
「あーあ。せっかく楽しかったのに、桜乃のせいで冷めたわ」
あたかも私が今日の雰囲気をぶち壊したかのように言ってくる。
勝吾くんだけじゃなく、三好くんと高田さんの思い出まで壊したのは私だと。
「俺ら、しばらく距離置こーぜ」
それはイコールで、自然消滅を待つってこと。
もう好きにさせろ、って言われてる。
立ちすくむ私と、真面目な顔で黙り続けている三好くんと、「…きゃはっ」と微かに笑った高田さん。
これが地獄のダブルデートの、終着点。