これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
「……な、夏祭りとプール…、りょうほう行きたい…」
「…センパイのそーいうとこさ。ほんっとズルい」
「えっ、ずるい…?」
「…良い意味でってこと。これからはセンパイからもメールして。…いつも待ってたから俺」
「…うん」
それから夏休みに入って、三好くんと毎日のように交わした電話やメール。
しあわせだった。
なにも考えなくていいくらいに、幸せで。
『センパイって絶叫系へーき?』
「えっ、絶叫…?」
『プール。かなりでかいウォータースライダーがあるんだって』
「ええっと、ええっと、…それは遠慮して、」
『ん、決定。俺と一緒に乗るよ』
プールは8月の半ば、夏祭りは夏休みが終わる前の土曜日。
水着はどうしよう、お母さんに浴衣を出しておいてもらうようにお願いしておかなくちゃ。
『ねえセンパイ。写真で送ってくれた水着だけど、あれ露出おおすぎ』
「えっ、露出…?」
『パーカー必須ね。っても足はどーすんの、困るんだけど』
「こ、困る…?それは、法廷闘争…?」
『ふっ、ははっ、どう考えても法廷闘争』