これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
女の子は不安になっちゃうんじゃないかなって。
こんなにも格好いい男の子だから、たとえどんなに自分に自信があったとしても、女子生徒はみんな目を惹かれる存在なのだから。
試す?って言うのかな…。
きっと三好くんの彼女さんは、そんな気持ちで無難な勝吾くんを気の迷いのようなものから選んだんじゃないか。
という謎に自信に満ちあふれた考察があった。
「……それ、俺は死ぬほど気持ち悪くて嫌なんだよ本当は」
周りが勝手に言ってるだけだし、そしたら広まっただけだし。
と、ふてくされた顔。
「それに俺なんか、所詮はセレナの人形だからね」
「…人形…?」
「飾っておきたいだけ、自分の隣に。周りが羨むから、そこで優越感。セレナはそんな自分が大好き人間ってだけ」
彼にも彼にしか分からない苦悩がある。
でも最初は良かったんだよね…?と、聞いてみたくなった言葉は無意識にも飛び出してしまったようで。
「最初はね。俺と同じ高校に行きたいからって言って、頑張って勉強してくれたくらいだし」