これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
………らしい。
今日の三好くんはいつもと違うことをしていしまっているから、校内は大変なことになっている。
それは三好くんに対してのものだけじゃなく、男子生徒も胸を高ぶらせては肩を組んでいた。
「くそ可愛かったよな?萌え袖やばくね?」
「あのあざとさが逆に男のロマンだよな!!」
「まじそれ!高田さんってちょっと病んでそうじゃん?それがまたイイ!!三好あいつマジわかってるわ!!」
………らしい。
なのでやっぱり結果として、なつセレカップルは最高なのだと。
けれど裏ではどんなことをしているのか知っている私は、素直に聞くことができなかった。
人形だと、言っていた。
三好くんは高田さんの人形だって。
だからその今回のピアスも、三好くんの意思関係なくお人形さんに付けられたアクセサリーのようなものなのかな…。
そう思うと、どこか切ない。
「桜乃!どうだった私のスペシャルハイパースパイクは!!」
「す、すごかった…!」
「ありがとう小学生の感想!!」
「うん…!」
「……ごめん桜乃。こんな素直な子に言うセリフじゃなかったって自分を責めたわ」