これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
《おい既読無視かよ。授業中なんだけど》
うん三好くん、よくわからない。
《あかさ》
《テキトーやめな?》
《ごめんなさい》
とりあえず既読無視ではないことだけは伝えたくて、文字入力画面の“あ”から横に打ったはいいものの。
見えている。
やっぱりどこかに監視カメラがついている。
《ごめんね。今日はちょっと厳しいかもです》
《なんで?》
《急遽バイトが入っちゃって…》
《へえ、そう。もし嘘だったら許さないよ》
こ、れ、は…。
もしやバレてる……?
《許さないよ?》
あ、だめ。
追い討ちで2回言ってきてる、これはぜったいダメな感じ。
本気で監視カメラがついているんじゃないかと不安になった私は、正直に言うことを決意する。
《実は勝吾くんと一緒に帰る約束をしてて…》
《俺よりそいつ?》
すぐに返ってきた返信に、私の思考はプツリと切れた。
え……、だって本当の恋人を優先させるんだよね…?
それがルールなんだよね…?