これが恋だなんて、知らなかったんだよ。




「ど、どうぞ」


『別れたほうがいい』


「ううっ、はやいっ」


『ついでにあだ名まで考えてあげた。これで少しは目ぇ覚ましな?』


「あだ名…?私に…?」


『うん。金づるちゃん』



さい、てい。


失礼極まりないあだ名を付けてきたともちゃんは、中学生からのお友達。

私は“ともちゃん”っていう可愛いあだ名を付けたのに、金づるだなんて……。



『だいったいさあ。メッセージはゲームが絡んだとき以外は即レスしてくれない、お家デートでキスすらない。
そして桜乃に手を出そうとする素振りもナシ…って。わかる?この外道さ』


「…慣れてきたってことじゃない、かなあ。こう…恋人から家族、みたいな。それって悪い意味じゃ───」


『なわけない!!じゃあ付き合うまではなんだったの!?あんたら揃って私に30分置きに相談してきたよね?
たとえあのときほどの熱量じゃなかったとしてもこんないっきに冷却されるなんてありえないから!!さっさと別れちまえ!!』



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