乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
「ふざけるな!」

あたしはキリッとチカンを睨むと、チカンの見えないストレートを掴んだ。

「何!」

驚くチカンの拳を握り締めながら、

「例え…見えなくても、同じところを、何度も触られたら、次の攻撃は予測できるわよ!」

チカンは、あたしの胸とお尻しか触っていない。

「な、なるほど」

チカンは口元を緩めると、強引にあたしの手から、拳を抜くと、距離を取った。

「ならば、究極のチカンを見せてやろう!」

チカンは、また突進してくるが、今度はボクサースタイルではなく、身を屈めて、あたしの足を取りに来る。

「男の夢アタック!」

チカンがあたしの短いスカートに手をかけようとした時、

あたしの膝蹴りが、チカンの顔面にヒットしていた。

よくプロレスラーが、負けるパターンである。

鼻血を流しながら、倒れるはずのチカンは、踏張った。

「パンツ!」

膝蹴りの瞬間、もろに見えたあたしのパンツを、ガン見したチカンに、あたしは回し蹴りを首筋にたたき込んだ。

今度は、腕で捌くこともしないで、喰らったのに、チカンは不動の形で、あたしのパンツだけを見ていた。


「恐るべし!怪人チカン!」

半月ソルジャーは同じ男として、理解していた。

「恥ずかしさで、パワーが上がるレッドに対して、あやつは興奮する度に、強くなるのだ!」

半月ソルジャーは拳を握り締め、

「恥じらいと欲望の戦い!どちらが勝つ!」



「この!変態があ!」

あたしが放ったドロップキックを、いとも簡単に受けとめると、チカンは笑った。

「こんな大技が、実戦に有効だと思ったか!」

チカンは、両手で掴んだあたしの足を無理矢理広げると、各足を脇に挟んだ。

「男の夢シリーズ!こんなことをやってみたい!くらえ!この技を!」

チカンは回転しだした。

ジャイアントスイングだ。

「きゃあ!」

狭い廊下で、回転するあたしのスカートが、風圧でめくれた。

「ありがとう!神よ!」

チカンは至上の喜びを感じながら、神に感謝した。





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